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『岳連山塾』31記録

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『岳連山塾』山行記録
第31回 冬期山行 
目的 積雪のある深山に入り、登山の総合力を研修する
主催 滋賀県山岳連盟       主管 指導・技術委員会
日時 2019年3月2~3日(土~日曜日)
場所 岐阜県高山市 新穂高~北アルプス西穂高岳
山行内容
   ・BC設営、冬期生活技術・自然からのリスク管理/防御技術
参加 総勢8名
・日程概要 3/2 前夜彦根IC発~岐阜県高山市 新穂高温泉P
3/2 入山 新穂高ロープウェイ~西穂高口~
西穂山荘前BC幕営~雪山登山研修~テント宿泊
3/3 BC出発~西穂独標~ピラミッドピーク(2750m)登頂~往路下降~
BC撤収~登山口下山 ・・・入浴・・・帰宅
【岳連山塾】31を終えて

今冬の暮雪の影響で当初計画していた八ケ岳山行を変更してエリアを北アルプスの西穂高周辺に変更して【岳連山塾】31を実施しました。
メンバーは、皆冬山登山経験者で足並みの揃った行程を組むことができました。
ロープウェイで西穂高口まで順調にアプローチし、ここから入山します。
山は快晴ながら、テント装備満載の重荷に喘ぎつつ西穂高山荘のテン場に到着、二班に分かれてテントを設営しました。
その後小屋上の斜面でロープワーク研修、コンティニアンスシステムの解説と雪山で有効なスタンディングアックスビレイの実地研修を行いました。
そのあとは自由行動とし、それぞれが翌日の準備と夕食~懇親の夕べとうつろいます。

3日は、2:30起床~朝食と準備し、5:30にBCを出発しました。
程よくクラストした雪面にアイゼンが心地よく効き、穂高の稜線を登高します。
天気は高曇りで、北アルプスの山々を展望しながらの登高で、心も高揚してきます。
最初の核心の独標の登りは、皆難なくクリアーして、ここから先の岩稜帯に備えます。
ここからが今回の【岳連山塾】の本番となります。
今回では、雪山稜線をコンティニアンスシステムを使ってトレースする技術を学ぶことが目的です。
トップがランニングビレイを取りながら、後続はフリクションヒッチでロープと繋ぎ、ロープをタイトに貼りながら登高します。
このシステムは、もしメンバーが滑落したら、ロングロープのビレイシステムを駆使して滑落者を確保します。
理論的には確保できますが、パーティ全員の認識と高度な技術、そして絶対停めるんだという覚悟が必要な技術であります。
危ういコンテでの登下降は、ビレイシステムの中でももっとも難しい技術のひとつで、今回の研修のみでなく、各自別の機会でも訓練して、確実に技術習得頂きたいと思います。

目標のピラミッドピークに到着し、往時を同じシステムで独標越えし、その後はシステム解除してBCまで戻りました。
事前の天気予報通り、空模様は悪化傾向、雪もちらほら降ってきました。
早々にBCを撤収し、ロープウェイ駅まで下降し全員無事下山しました。

今回は冬季高山で、ロープワークや寒気対策、雪山での生活技術などの実践研修を行いました。
ピークハントを目指さないこの研修会に参加された皆様は、真に冬山技術を習得しようと目指されている方々でした。
今回の【岳連山塾】は、それに応えられた山行になったのではないでしょか。

こうした研修は、その回ごとには小さなことでも、繋げて行くことでやがて自身の技術として習得して行きます。
今後も山岳を目指す方々には、さらなる向上心を持ってより確実で高度な技術を持って、自身の山岳活動を展開して頂きたいと願っています。

諸般の事情で【岳連山塾】はこの回を持って終了致します。
主幹した指導委員会として、31回の研修会において無事故で終えることが出来たことに安堵し、また参加・協力いただいた方々に心より感謝いたしております。

次年度よりは、形を変えてこうした研修会を開催し、多くも皆様の登山スキルの向上の糧となるようして行きたいと思っています。
今後とも滋賀岳連の事業にご理解支援をお願いし、多くの方々の積極的な参加を希望致します。

では今後も皆様において、素晴らしい山岳活動がなされることを期待いたします。
長年ありがとうございました。

滋賀岳連 指導委員会 大越 久嘉



イメージ 4
新穂高温泉無料駐車場で登山準備する参加者

イメージ 6
西穂高岳山荘に向かって重荷を背負って登高する

イメージ 5
山荘前の幕営地で二張りテント設営

イメージ 1
山荘前でロープワーク研修・登下降研修を行います

イメージ 2
3日は穂高の稜線をトレースします。
ロープでパーティメンバーを確保しながら、厳しい岩稜帯を越えて行きます。

イメージ 3
目標のピラミッドピークに登頂
今回はここまでですが、さらなるスキルアップし
次なる山岳活動に挑んで頂きたいと願って折ります。


参加された皆さん、お疲れさまでした。
【岳連山塾】

長年ありがとうございました。



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